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少し奥の谷





釣りへ行く前の日というのは、多少のためらいがある。

あんな風に畏ろしく、静謐かで、人恋しくなる場所へ、なにも一人で出かけて行かなくてもいいじゃないかと思い、心のどこかではイヤがっている自分に気づく。

 ◇ ◇ ◇ 





朝の渓流は暗い。

ふいに、だれか女の声に呼ばれたような気がして、辺りを見回してしまう。

むろん、だーれもいない・・・。









滝つぼのポイントから飛び出した、若ヤマメ。

十八センチを筆頭に、親指サイズばかり連続して四尾。

なんだかとても悪いことをした気がして、いつもなら釣れれば気分が高揚するのに、この日はますます寂しげな気持ちとなり、竿をたたんで山歩きすることに決める。










『竜王橋』・・・だそうです。





お昼はチューハイ飲んで、木陰でひるね。

しゃくとり虫の巣窟であることに気づくのに時間はかからなかった・・・







ここから山歩き開始。





落ち込みや、小さな滝が無数にある。

釣りもできるけど、竿を出す気にはならない。







『にほん昔ばなし』なら、たちの悪い山の妖怪とか出てきて、旅人と一悶着ありそうな感じ。







登りがやや急になって来る。

人の心身には、適度な負荷が必要ですな。。





ひとりで歩く二キロはけっこう長いです。こんな山道。





午後四時。軽装のハイカーはだれもいなくなる。

気合の入った釣師たちは、半分沢登りみたいな格好をしている。

車止めからここまで90分は歩くのに、人のプレッシャーが強く、サカナたちはみんな人慣れして(すれて)いる。

釣師によれば、イワナ25センチが最大とのこと。

やはり「すず」を持って歩いていて、ここはそういう場所なんだなあ・・・と改めて思う。





わき水が飲めるというので、おっかなびっくり、すくい飲むと・・・・これが、甘くてうまい!

でも、お腹痛くなったらイヤなので、一口でやめておいたけど。









さいご、和ませていただきました。

この場所へは、今年はもう来ないだろう。
例によって山の神様に感謝をささげて、帰路につく。




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