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 孫惣谷アドベンチャー(後編)

 -----前篇より-----



 一つ滝を乗り越えると、容赦なく次の滝が現れます。もはや、竿をたたんで、前に進むしか道はありません。
 (でも、それはそれで、ちょっと楽しかったりして)
 また、見事なやつが現れました。
 滝つぼで竿を出してみますが、予想通り、アタリ一つありません。

 人間の感覚で、「素晴らしい好ポイント」と感じる場所と、イワナの感覚で住みやすいポイントは、微妙に異なっていて、どちらかというと「B級」と人間が感じるポイントの方で、いい釣りをした経験が多い感じがします。
 
 いま、自分が掴まえている岩が「ポロッ」と行ったら、一巻の終わりなんだよなあ・・・・と他人事のように思いました。

 もちろん、そうはならないように慎重に確かめながら、歩みを進めてはいるんですが。


 今回に限らず、独りで渓流を進んでいると、ふっと、自分のからだが自分でないような、気づいたらたましいが飛びぬけて、からだを眺めているような、そんな変な感覚におそわれることがある。


 ともあれ、岩場の難所を乗り越えたところで、なんとなく自分撮影をします。

 なにかを確認したかったからかもしれません(笑)
 ひえ〜〜おっかねえだなや。
 
 
 まだまだ続きます。
 
 
 
 やがて、目の前に輝く白い壁が現れる。すわ、堰堤か!?
 
 堰堤の手前のさいごの滝。
 そして堤防。どちらも、アタリなし。魚影なし。
 捲きます。
 堤防の上の風景。

 2.5万図によると、この先に“燕岩”があり、せっかいの採石場が設けられている、はず。

 標高は約1,000メートル。
 鉄橋が見えます。
 つまり、林道が近い、ということが分ったので、無理やりこの谷からの脱出を試みます。いちおう、人の踏み跡らしきものがある。
 この石垣を乗り越えれば、林道がある!ナイフで雑木を切りはらいながら、進みます。
 無事生還。午後4時を過ぎたので、残念ながらこれで帰路につきます。


 (このあと、ちょっと不思議な出来事が・・・)
 『関東山地東京地区 カモシカ保護地域 文化庁 東京都教育委員会』

 ・・・・と、書いてあります。
 不思議な出来事。

 “熊よけの鈴”を手に持って、シャンシャン鳴らしながら、歩いていたんですよ★
 この音は魔除けの代わりにもなる、なんて思いながら。

 ふと気づいたら、手から鈴がなくなっている。「あれれ??いつのまに、なくしたのかな?」派手な音がするから、落して気づかないはずがないし、無意識にしまったのかな??

 で、結局見つからず、次第に薄暗くなっていく林道で“魔除けの鈴”を探すのにロスした時間が約5分。

 それからさらに歩いて、ふもとの東日原にようやく帰り着くと、地元の老夫婦が、「ありゃ〜残念だったねえ。たった5分前に、バスが出たところだよ」

 (ちなみに、その次のバスが最終で、1時間半近く待たねばならない。仕方なく、日原街道を奥多摩駅に向かっててくてく歩く羽目に)

 これを妖怪変化の仕業といわずして、何と表現すればよいのだろう。

 ・・・そういえば、あのジジ・ババもかなり妖しい。なんか嬉しそうにニヤニヤ笑いながら、声をそろえて、「ざ、ん、ね、んでした〜♪」と言ったぞ。
 
 最後に、この谷は、たえず水がせっかいを含んでいるせいか、岩魚の姿は見えず、遡行には多大なエネルギーを必要とする上に、キイロスズメバチは出るは、森の妖精にちょっかいを出されるわ・・・と、まったくおススメできません。

 とくに、獲物が少なくなり、スズメバチが凶暴化する9月以降は危険かもしれません。

 まあ、釣れないというのは、腕のせいかもしれませんが、いつもと同じ仕掛け、同じ流し方で、一回もアタリが出なかったことは確かです。最初は、僕の直前に先行の釣り師か、沢登りのパーティーでも入ったかな?と疑ったのですが、その気配もどうやらなさそうでした。

 まあ、そんなに釣れなくても、渓流を歩いていれば幸せ、それもハードであればあるほど、「やりとげた感」があって明日から仕事がんばれる、という僕みたいに変態な人は楽しめるかもしれません。

 (写真は、日原川のトロッコ。。)



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