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すこし奥の谷へ2 〜"ぬし"との出会い
(平成25年7月15日釣行)
 7月の三連休、その最終日に、"すこし奥の谷へ"釣行して来ました。
 茨城の住居を深夜0時に出て、高速道路を乗り継ぎ、午前3時半ころ、いつもの車止めに到着。この時点で、日原地方には分厚い雨雲が覆いかぶさっていた。その天気のせいか、車止めには僕以外の車はいなかった。
 しばし仮眠をとり、5時半くらいまで車内で爆睡・・・朝6時前から、日原林道を歩き出します。

 前回の終了地点までさっさと歩き、そこから竿を出し始める。
 わりとすぐに、15〜20センチくらいの若イワナが釣れてくる。どんどん釣り上げ、どんどんリリースしながら先へ進みます。
 黒々とした魚体がどこからか現れて、ブドウ虫のエサにかぶりついた。
 かかりが浅かったのであろう、ひとしきり暴れると、その黒い魚は、口からはりを吐き出した。(何尾かかけた後なので、はり先が甘くなっていたか・・・)
 ふつうなら、サカナは素早く岩陰に身を隠してしまい、二度とその場所では釣りにならない、という負けパターンのはずである。
 しかし、なぜか、その黒いやつは、もとの居場所に戻り、流れに身を任せ、悠然と構えている・・・。
 まさか、と思いつつ、僕はその場にしゃがんで、ひとまわり大きいサイズのはりを結びなおし、活性のいいブドウ虫のエサをつけ、ふたたび仕掛けを投じる。

 上流から自然に流すと、特定の場所で、黒いやつは、ゆらり、と動いて、エサに反応する。0.3号のフロロに結んだカラー目印が、川の流れからすると、逆戻りするような、やや不自然な動きを見せる。でも、合わせを入れると、エサを吐き出してしまう。それでいて、完全に逃げるということがない。

 三投目・・・ちびのイワナが、邪魔をして、エサにかぶりつく。(「なんで出てくる!?」by.アムロ)

 四投目。目印が動く。ツツツン!という渓魚特有のすばしっこいアタリではない。(あ、かかってる・・・)今度は慌てずに、じっくりと、エサをくわえてもらってから、軽いスナップで合わせを入れた。
 そして、姿を見せたのは・・・。
 それは、日原川の"ぬし"の姿であった・・・・。

 何年くらい生きているのだろう・・・。白内障にかかったように眼が退化しており、それが、逃げずに何度もエサに喰らいついた理由か。
 老いたる英雄の姿に、ふだんは「写真を一枚か二枚撮って、30秒以内にリリース」を心掛けている僕が、ついつい、その姿をじっくりと拝見させてもらった。
 眼福の極み。
 その後、"ぬし"はまるで爬虫類のように濡れた岩をはい進み、再びもとの薄暗い谷間へと消えていった。
 その後も、ポイントごとにアタリがあり、元気のいいヤマメやイワナが釣れてくる。夢中で、人のいない溪を、先へ先へと進んでしまった。

 がま渓流"エアロダンサー"の威力をはじめて実感したということもある。この竿、すばしっこい渓流魚が、なぜかエサをくわえたまま、長時間(2秒以上)離さないという、「究極の、のせ竿」(というか、竿が、勝手にサカナを釣ってくれる)である。イワナだけでなく、ヤマメですらそうである。

 そして、アタリの伝わり方が、例の「ツツツン!!」ではなく、「スッ・・スー!」である(このニュアンス、わかるかな?)
 この「スッ・・スー!」は、たぶん、「ツツツン!!」になる前段階のアタリで、これが感覚として分かるということは、つまりそれだけアタリを多く感じる=釣果が伸びるということになるのだと思う。逆に、今までの竿のように「ツツツン!!」がアタリだと思っていると、エサを飲み込まれてしまいかねない。
 本来は、奥多摩川本流で、すれっからしのヤマメやニジマスを相手にするのに威力を発揮する竿なのかもしれない。
 この日は「日影谷」を視察することを一つの目的としていたが、思った以上に道のりが遠く、深入りのしずぎを畏れたので、覚えやすい小滝のポイントで引き返すことにした。・・・この谷を最後まで登りつめるのは、覚悟がいる。今年行けるか分からないが、次回以降の課題とします。
 朝6時から歩き出して、クルマに戻ったのが午後4時40分。わずかな休憩時間を除くと、10時間歩きっぱなしである。
 しかし、歩いた分だけ、答えてくれるのが「渓流釣り」と言えるかもしれない。



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